日々の活動

まちづくりサロン

第三十二回目

5月12日、天使の森プロジェクトとして、どんぐりの苗の育成状況、今後の取組みについて報告がありました。参加者から、今小学校で育成している苗はそれに関わっている小学生に植樹までしてもらいたい。直接参加するという体験が森や山、額田地域に愛着を持つきっかけになると思うので是非継続してほしいと意見が出されました。
報告の後、岡崎のまちづくりについて話合われました。

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岐阜県の岩村や長野県の小布施など、昨今注目を浴びている地域は20年前30年前から地道に取り組んで来た結果だと思う。話題を呼ぶ興業や建物、名物を作ることで即時的に効果を生むことも時として必要かもしれないが、長い時間をかける、あるいは時間がかかるものという認識が必要ではないか。
最近の日本の統計で生涯独身の男性が全体の2割、女性は1割。地方から若い女性が都市圏に移住し、少子化傾向は強くなる一方で、近い将来3000の集落が無くなると言われている。根本的に何かを変えなければならない状況に来ていると思う。
お金は大切だけれど、お金を中心とした発想を転換しなければ社会は持続性を確保できなくなる。海外の新興経済発展諸国など、特に人口が多い国々の生産・消費活動が隆興してくれば尚更そうなると思う。本来自然の管理をするのが人の役目。まずは自然の摂理と食の基本をしっかりと小学校などで教育して、それから他のことを考えるようにした方が良いと思う。
人口減少していく中で、商品・サービスの量が右肩上がりになるような状況を維持しようとすることは理に適っていない。自分たちの生活の質をどう高めていくかという視点が大切だと思う。
極言すれば縄文時代から江戸時代まで日本人の生活は変わっていない。基本的な生活のために1日のうち4時間働いて、あとは他のことをしていた。例えば、朝飯前という言葉があるように、江戸では朝一番に近所のお年寄りなどを訪ねて、困りごとを手伝ったりしていた。現在の標準とされる8時間の内4時間は、さらに他の欲求を満たすための労働ということになるが、「生活の質とは何か」を問うとても大切な視点だと思う。
「和を以て貴しとなす」という聖徳太子の言葉は、今、あらためて見直す価値がある考え方だと思う。明治維新以降の価値観が行き詰っている中で、それ以前の価値を再評価しても良いのではないか。
岡崎は徳川家康が生まれただけの場所と言われることもあるが、苦難の時代を生きた家康だから戦のない世を成しえた。江戸開府後に朝鮮との交流を再開したことは評価できる。
パワースポットという言葉が出て久しいけれど、今も、神社仏閣は若い人たちに人気がある。岡崎は国内でも群を抜いて寺社の多い市なのだから、そうしたものをもっと活かした方がよい。北野廃寺は遺構があるだけだが、高隆寺、瀧山寺、真福寺など1000年を超える歴史をもった寺がある。瀧山寺には運慶仏が3体もある。安倍晴明ゆかりの晴明神社のある市町村はまずない。
誇りに思えるような場所がいろいろある中で、市民や企業が自発的にそうしたものを活かして情報発信していくことが大切。行政には行政の役割があるけれど、何よりも市民からボトムアップしていくことが大切だと思う。等々、幅広い意見が出されました。

次回、6月は2日の月曜日18:00~です。