「プロとともに考える家づくり」


講師:塩田 有紀(塩田有紀建築設計事務所 代表)
会場:葵丘
講師の塩田 有紀さんは東京生まれ。今思えば幼い頃のりかちゃん人形遊びではままごとよりも家づくりに時間をかけていた。高校生の頃に「建築をやったらおもしろい大人になれる」と思い、幸い理科系の勉強が得意だったので建築を学んだ。住宅の設計では家での生活が楽しくなるような家を作りたいと話す。
勉強会では、4つの作品例を紹介。共通して言えることは先入観を持たないこと。施主にあったテーマを見つけること。週末に打合せになることが多く、自分にとっては仕事だけれど、お施主様にとっては休日。「いい休日だったなぁ」と思っていただけるような打合せにしたい。施主にあったテーマが見つかるとしっくりくる住宅ができる。事例ごとにスライドや模型を使って、そうした視点から施主の要望や工夫した点について話された。
交流会では、安藤忠雄氏の番匠邸に住んだ感想を聞かれ、冬は室内でもとにかく寒い。週末だけの使用だったけれど必ず風をひいていたように思う。当時3歳くらいだった子供とは「おそとの家」と呼んでいた。しかし、築後30年という時間の経過を感じない建築としての存在感に圧倒された。また、外と内と分けて考えがちな建築の形式を、外と内を何層かに分けて段階的に空間を捉えるような感覚を得られたことは建築家の1人として良い経験だったと話された。また、これから始める自宅の設計では、建築としての存在感と居住性を併せ持つ家にしていきたいと抱負を語られた。