日々の活動

まちづくりサロン

第二十三回目

8月5日は、グリーンフロント研究所 所長の小串さんの話から始まりました。 研究所では、環境調査や行政、企業の事業計画の支援を専門としていて、岡崎市の生物多様性戦略の作成にも関わっておられます。天使の森プロジェクトでは、額田地域の植生調査をしていただいており、今回はその中間報告をしていただきました。

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調査の方法としては、国土交通省から昔の航空写真を入手し、新しいものと比較して植林等の開発の経過を調べ、額田の文献資料を当たり、また、天使の森該当地区周辺の踏査と地域住民への聞き取りも行いました。 その結果、額田地域の植林は全国各地に比べて早く、明治の頃から植林事業が実施され、適正な管理がされていた。戦後の拡大造林において山頂まで針葉樹を植えたところもあるが、尾根筋に広葉樹が今も残り、理想的な管理に近い形で残っている場所が何か所かあることが分かりました。 報告を受け、意見交換をする中、サロンに来られた岡崎森林組合の組合長が東京の古本屋で入手したという数十年前の額田の造林計画を持参され、小串さんもびっくりという一幕も見られました。 今後は地域の植生が残ると思われる森を再調査し、種子拾いの場所や樹種を絞り込んでいく予定です。

次回、9月は2日の月曜日18:00~です。

第二十二回目

7月1日は、森林地域のを駆除した際の利用方法について話が始まり、参加者が各々に話す意見交換会の場となりました。

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話題は駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)や竹繊維で織った布など古今の加工技術に及び、他に絹や木綿の技術についても同様に、生活習慣の変化による需要低迷や人件費などの要因による技術継承の難しさ、更には、稀代の収集家田中忠三郎の仕事など、モノそのものを保存することの大切さについて話が出ました。 額田においては、100年を超える築年数の民家がたくさんある。農家民宿などを活用して、都市部の人たちを惹きつけられないか。最近登山に出かけると、都市圏から来たと思われるファッショナブルな服装の女性を多数見かける。登山用品店で、登山用スカートをはじめ女性を対象とした商品群が売られているのを見ると、山やそこの暮らしへの関心の広がりは一種の社会現象になっているように思う。長崎県の小値賀島(おじかじま)がホスピタリティーの高い所として国際的に評価されているように、土地にあるものを活かした魅力づくりが大切ではないか。‥等、意見が相次ぎました。

次回、8月は5日の月曜日です。

第二十一回目

6月3日は、額田バイオマス火力発電所建設検討会の提案で名古屋大学の福島教授を講師にお招きし、「再生可能エネルギーの切り札」~バイオマスの現状と課題~と題し講演いただきました。会場には国会議員、県議会議員、市議会議員、自治体職員、岡崎森林組合、市内の大学教員、市民活動をされている方など、80名程の人が集まりました。 バイオマス利用のキーワードは「カーボンニュートラル」「カスケード利用」。持続可能な社会を考える時、前提としてこのまま温暖化が進めば早ければ100年後には人が住めないような地球環境になってしまう可能性があることを忘れてはいけない! 自然現象は複合的な要因に左右されるが、人間社会の排出するCO2が温暖化を進める要因であることは間違いない。化石燃料にはいくつか種類があるが、1億年かけて蓄積された炭素を消費することに変わりない。重要なのは化石燃料への依存を減らし、炭素の蓄積と消費を均衡できるエネルギー資源に転換すること。その代表がバイオマスであり、欧米では代替エネルギーの最有力候補とされている。バイオマスの9割は木質バイオマスであり、森林資源が豊富な日本では積極的に活用すべき。木造住宅はコンクリート造に比べ建設に必要なエネルギー量は4分の1で済み、また、1棟で平均6トンの木材を使い、CO2の固定化にも大きく貢献するため、もっと推奨してもよいのではないか。住宅などの付加価値の高い利用の後、段階的(カスケード)に、廃材の利用、最終的にはチップにして燃料として利用するのが望ましい。

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岡崎でバイオマス火力発電を運転するだけの木質バイオマスの量を市内の山で十分まかなえるだけの木材はある。様々な課題はあるが、人や技術のネットワークを構築して、是非実現して欲しいと話されました。 参加された方々からも質問や意見が相次ぎ、岡崎森林組合長の眞木さんから「岡崎の山では5万立米を超える量の木材が毎年蓄積されている計算になるが、森林組合が伐採している量は1割の5千立米に満たない。しかし、30人ほどの組合職員では、精一杯のところだと思う」と、現在の林業の状況を語られました。また、他の方からは、今日本の企業はエネルギー自給率の高い地域を会社のバックアップ拠点として注目している。多くの企業がビジネスとして参画できるようにしていけば、地域の活性化にもつながると思う。などの意見が出ました。

次回、7月は1日の月曜日です。

第二十回目

5月13日は、桜坂さんこと松井章泰さんに「桜が繋ぐまちづくり」~新城市100万本の桜プロジェクトの成功に学ぶ~と題し、講演をしていただきました。 新城市(松井さんの地元)に桜淵公園という桜の名所がある。ソメイヨシノの寿命は60年程度。戦後に植えられた桜は老木となり、病気になって瀕死の状態。それを知らず、お花見の宴会に興じる人々の姿を見て、自分がこの桜をなんとか再生したいと思ってプロジェクトを立ち上げた。新城市に桜の手入れを申し出ても、経験、技術が十分にないことを理由に断られてしまう。それでも諦めずイベントや勉強会を続け、専門家とも交友が深まり、ようやく公園の1本の桜の手入れを許されたのは数年後だった。その後、紆余曲折しながらもプロジェクト開始から6年経った現在、「秋のさくら祭り」と名付けられた桜の手入れのイベントには1000人を超える市民ボランティアが参加するまでになった。

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これらの話に加え、今迄の経験をもとに事業をうまく進めるための考え方を「金」「人」「時間」の観点から話をされました。折しも、岡崎公園の西を流れる伊賀川の河川改修工事に伴い多くの桜が切られ、その後の対応に岡崎市民の関心が集っていることもあって、30名を超える方がサロンに来られ、有意義な会となりました。 次回は6月は3日の月曜日です。 18時 開場、18時30分〜21時 講演 通常のサロンとは異なり参加費は無料ですが、先着100名の事前申し込みが必要となります。 額田バイオマス火力発電所建設検討会の提案により、名古屋大学生命農学研究所教授 福島和彦さんに「再生可能エネルギーの切り札」と題し、ご講演いただきます。

お問合せ&申し込みにつきましては、担当:太田(080-6978-1922)迄お願いいたします。

第十九回目

4月1日は、三々五々と参加者が集まり、加藤秀美さんの岡崎地球温暖化防止隊の活動の話から始まりました。 バイオマス発電所の創設に向けて勉強会を重ねているが、これを実現するには燃料となる木質バイオマスの安定確保が課題となっている。1000kw/日の規模で考えると1年分で2万立米超える材料が必要となり間伐材だけでは到底対応しきれない。数量はともかく、とりあえず地域の山主と話す中で、多くの山主から竹をなんとかして欲しいという要望があり、竹の伐採駆除と利用方法の検討をしている。肥料や飼料の材料として利用可能なのだが採算性が課題となる。

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参加者からは人工林で切捨てられる間伐材や、道路等の大規模開発で出る大量の広葉樹の丸太などの有効利用について話が広がり、需要と供給を上手に橋渡しする工夫が必要。情報ツールを利用して、情報交換の場ができないか等の意見がでました。 また他には、参加者各々に資料を持参し、岡崎が誇れる様々な歴史遺産や建物などの話、アーキヴィストの必要性や市民活動と行政との連携のあり方など多様な話題で話しが広がりました。

次回は、第一月曜日が大型連休に掛かるため日程を変更し、5月13日の月曜日18:00からです。

第十八回目

3月4日は、天使の森プロジェクトの進捗状況をお知らせし、その後、横山さんの話から始まりました。 岡崎市平成25年度予算案の内容とまちづくりについて、昨年新しく就任された市長に期待する思いを話されました。 市長の掲げる「観光産業都市」の理念を実現に向けて、行政ほかNPOや企業を含めまちづくりに関係する組織が再編されてきている。これまでの「ハコモノ」とは違う、道路や橋などの整備に終わらない、市民にとって内容のあるものにして欲しいと話された。 他の参加者からも口々に、過去の街の変遷、行政機構に対する期待などが出されました。

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今、公開されている都市計画の情報は時間の流れの中でとらえれば点の情報でしかない。その計画が出来上がる数年後のさらに先、20年、50年といった長期の展望がまちづくりには必要。岡崎には河川を中心に数百年の歴史の中で作られてきた原風景がある。城下町、宿場町などの風情を活かしながら、新しいものを未来に向けて積み重ねていかなければ、岡崎らしさを魅力としたまちにはなっていかない。そのためにも、岡崎の原点を忘れてはいけない。また、市民の視点を活かすためにも、岡崎に住む人々が活躍できるような都市計画の実施を期待したい。まちで新しい何かが始まる時、不利益を被る人は声を出すが、そうではなく、新しい動きが楽しみになる提案が必要だし、それを市民で共有するために、自発的な市民交流の場を増やすことが大切だ。そうした広く市民に開かれた場の意見をまとめ、市長や行政に伝えることができたなら、地域社会はより住みやすく変わっていけるはずだ。 などの意見が続きました。

 

次回、4月は1日の月曜日、18時からです。

第十七回目

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2月4日は、犬塚恵介さんより東日本大震災の復興ボランティアの話から始まりました。 (さらに…)

第十六回目

1月15日は、西尾市から参加された杉﨑さん、織田さんの話から始まりました。
杉崎さんの家業は菜種油の製造。純国産の材料を使い昔ながらの製法で油を作り、こだわればこだわるほどお金にならないと言う。菜種の生産者が減り、現在、知多半島から渥美半島までの農家や市民活動団体と連携して菜の花栽培にも取り組む。更に本業の傍ら、子供たちに農作業や自給自足の体験をしてもらう取組をしている。災害などの際、すぐに他者の支援を求めるのではなく、生き抜く力をつけて欲しいと話す。

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農作業を中心とした様々な市民活動を西尾で行っている織田さんは、自分自身が癌になったことをきっかけに、ライフスタイルを180度転換し、それまで勤めていたデパートを退職し、今はめぐみ農場を主宰している。命が危うくなってもなかなかライフスタイルを変えられない。社会の常識にとらわれ過ぎて苦しんでいる人が大勢いる。食の大切さ、農業の大切さや楽しさを多くの人に知って欲しい。農作業の多くが高齢者によって行われ、今の日本の食を支えている。農薬は良くないけれど、使わなければ高齢者の農業は成り立たない。農薬を使わない作物を作るには若者の就労が必要だが、採算が取れない。めぐみ農場では、自然農法で誰でも好きなときに来て農作業を体験でき、東京や大阪からも農作業を手伝いに来ると話す。

参加者からは

・子どもたちが「自然てすごいんだ」と思える環境を身近なところにも残したい。
・アイヌ民族のように、自然を敬愛し「必要以上に取らない」という姿勢がこれからの産業に必要。
・本物にこだわる人たちが協力すれば、素晴らしいものができる。その過程は大変だが、結果の良さや喜びをもっと知って欲しい。
・農業の問題も林業の問題に通じるところが多い。議論することも大切だが、農地なり山なりを所有しないと、現実が見えてこない。

など、様々な意見がでました。

2月は4日の月曜日、18時からです。
建築家犬塚恵介さんの「東北の現実と課題」の話より始まります。

第十五回目

12月3日は、岡崎市内の学生や岡崎市外から初めて来られた方もおられ、自己紹介を兼ねて参加者それぞれに思うことを話すことから始まり、その後、葵丘2階にて開催中の「天使の森プロジェクト展」を見ながら、天使の森の話になり、意見交換に移りました。

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参加者からは

・山主にとって、山は利益を生まず、まるでゴミのような存在になってしまっている。山主のためにもお金になる林業を目指したい。
・3.11以降日本の社会は変化してきている。特に女性の活躍に希望を感じる。
・障がい者も普通の人も、老若男女を問わず自然な交流を持てる場を作っていきたい。
・年齢に関係なく人に必要とされ役に立ちたいという気持ちをみんな持っている。お金だけではなく、生きがいを大切にした仕事・産業を作っていくことが、多様で豊かな社会につながる。
・自然を大切にする教育=本当のことを知り、生きている実感が得られる教育が大切だ。
・個の自由な生き方を尊重することも大切だが、経済の再生産の構図を疎かにしてはいけない。

などの意見がでました。

次回は、2013年1月15日の火曜日18時からです。
年始につき曜日が変則になっています。ご注意ください。

第十四回目

11月5日は、武田さんの「心ひらくまち」の話から始まりました。

愛知県の長久手の北東部(愛・地球博記念公園のあたり)に調査に行った時、出会った人たちの穏やかさに感心し、「何故そうなのか…」その魅力のもとをいろいろな角度で考察され、この地域では、江戸時代から潤沢に水を自噴する湧水地があり、昔ながら田んぼの姿が見られ、水を地域の共有財産として、お互いに融通して利用し続けることで、地域の人たちの開かれた交流が保たれている、また、地域の高齢者の福祉施設や幼稚園などもお互いのコミュニケーションを大切にしている等々、映像を交えながら分かりやすくお話されました。

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お話の後、参加者より「まち」に対する思い思いの意見が出て、

・中山間地域の暮らしに関心を持つ人が増える中、移住しても定着する人は少ない。1世帯で入ってくれば地域に溶け込むように促しやすい。移住者の数が増えるとどうしても都市の習慣・ルールを持ち込んで、それがもとで結局地域の魅力(地域性)が半減してしまうこともある。

・若い世帯にとって田舎の人間付き合いは負担になる。定住するかしないかの二択ではなく、賃貸でしばらく住んでみるのが良い。

・昔は農業従事者が多かった社会では人々の連携・共同は必然だったが、社会環境が変化した現代では、個別のライフスタイルと共同体の良さのバランスを意識的に取らなければ、個々の人々が心開くまちにはなっていかない。

・結局、この数十年間あまりにも拙速に物事を判断し、やり過ごしてきたことが各所に問題を発生させたのではないか。時間を掛けて生活や文化の継承をしていくことが豊かな暮らしにつながるのではないか。バイオフィリア(生物に対する愛)などを含め、意識の外に排除してしまった価値を見直すことが大切。

・そもそも田舎で自由に育てばその人は幸せになれるのか。規制の多い社会に適応できなくなるのではないか。都会では心ひらくまちはできないのだろうか。

あっと言う間に時間が過ぎてしまう、活発な熱い会となりました。

12月は3日の月曜日、18時からです。