日々の活動

第二十一回目

6月3日は、額田バイオマス火力発電所建設検討会の提案で名古屋大学の福島教授を講師にお招きし、「再生可能エネルギーの切り札」~バイオマスの現状と課題~と題し講演いただきました。会場には国会議員、県議会議員、市議会議員、自治体職員、岡崎森林組合、市内の大学教員、市民活動をされている方など、80名程の人が集まりました。 バイオマス利用のキーワードは「カーボンニュートラル」「カスケード利用」。持続可能な社会を考える時、前提としてこのまま温暖化が進めば早ければ100年後には人が住めないような地球環境になってしまう可能性があることを忘れてはいけない! 自然現象は複合的な要因に左右されるが、人間社会の排出するCO2が温暖化を進める要因であることは間違いない。化石燃料にはいくつか種類があるが、1億年かけて蓄積された炭素を消費することに変わりない。重要なのは化石燃料への依存を減らし、炭素の蓄積と消費を均衡できるエネルギー資源に転換すること。その代表がバイオマスであり、欧米では代替エネルギーの最有力候補とされている。バイオマスの9割は木質バイオマスであり、森林資源が豊富な日本では積極的に活用すべき。木造住宅はコンクリート造に比べ建設に必要なエネルギー量は4分の1で済み、また、1棟で平均6トンの木材を使い、CO2の固定化にも大きく貢献するため、もっと推奨してもよいのではないか。住宅などの付加価値の高い利用の後、段階的(カスケード)に、廃材の利用、最終的にはチップにして燃料として利用するのが望ましい。

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岡崎でバイオマス火力発電を運転するだけの木質バイオマスの量を市内の山で十分まかなえるだけの木材はある。様々な課題はあるが、人や技術のネットワークを構築して、是非実現して欲しいと話されました。 参加された方々からも質問や意見が相次ぎ、岡崎森林組合長の眞木さんから「岡崎の山では5万立米を超える量の木材が毎年蓄積されている計算になるが、森林組合が伐採している量は1割の5千立米に満たない。しかし、30人ほどの組合職員では、精一杯のところだと思う」と、現在の林業の状況を語られました。また、他の方からは、今日本の企業はエネルギー自給率の高い地域を会社のバックアップ拠点として注目している。多くの企業がビジネスとして参画できるようにしていけば、地域の活性化にもつながると思う。などの意見が出ました。

次回、7月は1日の月曜日です。

第二十回目

5月13日は、桜坂さんこと松井章泰さんに「桜が繋ぐまちづくり」~新城市100万本の桜プロジェクトの成功に学ぶ~と題し、講演をしていただきました。 新城市(松井さんの地元)に桜淵公園という桜の名所がある。ソメイヨシノの寿命は60年程度。戦後に植えられた桜は老木となり、病気になって瀕死の状態。それを知らず、お花見の宴会に興じる人々の姿を見て、自分がこの桜をなんとか再生したいと思ってプロジェクトを立ち上げた。新城市に桜の手入れを申し出ても、経験、技術が十分にないことを理由に断られてしまう。それでも諦めずイベントや勉強会を続け、専門家とも交友が深まり、ようやく公園の1本の桜の手入れを許されたのは数年後だった。その後、紆余曲折しながらもプロジェクト開始から6年経った現在、「秋のさくら祭り」と名付けられた桜の手入れのイベントには1000人を超える市民ボランティアが参加するまでになった。

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これらの話に加え、今迄の経験をもとに事業をうまく進めるための考え方を「金」「人」「時間」の観点から話をされました。折しも、岡崎公園の西を流れる伊賀川の河川改修工事に伴い多くの桜が切られ、その後の対応に岡崎市民の関心が集っていることもあって、30名を超える方がサロンに来られ、有意義な会となりました。 次回は6月は3日の月曜日です。 18時 開場、18時30分〜21時 講演 通常のサロンとは異なり参加費は無料ですが、先着100名の事前申し込みが必要となります。 額田バイオマス火力発電所建設検討会の提案により、名古屋大学生命農学研究所教授 福島和彦さんに「再生可能エネルギーの切り札」と題し、ご講演いただきます。

お問合せ&申し込みにつきましては、担当:太田(080-6978-1922)迄お願いいたします。

5月3日子ども向けワークショップの報告

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5月3日、わんPark(岡崎市の東部、旧額田町にある岡崎市こども自然遊びの森)で開催された「こども音楽フェス」にてワークショップ「こんちゅうカルタひろい」を行いました。
ニーミン博士こと名古屋大学助教の農学博士 新美輝幸さんの協力を得て、子どもたちと一緒に遊びながら昆虫の生態(主に食べ物)について学びました。

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天気は快晴。昆虫や植物などの絵が描かれた手作りの木製カルタ100枚が草の上に配置され、気持ちのいい青空の下、子どもたちがカルタ取りをしました。まず、好きな昆虫のカルタを取り、ニーミン博士の「その虫は何を食べて生きているのかなぁ?」という質問に、迷わずその答えになるカルタを見つける子。ある子は「えっ。わかんない」といった表情で、お母さんやお父さんも一緒になって探しました。

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参加者全員が正解のカルタを見つけ終わると、カルタを一同に並べてニーミン博士から昆虫のお話しを伺いました。一番人気の「ダンゴムシ」は実は虫じゃないと言われてちょっとびっくり。他にも、ハチやキリギリスなどが小さな昆虫を食べることなど、いろいろ教えてくださいました。

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ワークショップをしていない時間には、子どもがトンボやチョウを捕まえて来て、ニーミン博士と一緒に昆虫図鑑で名前を調べたり、また、隣のテントで別のワークショップをしていた植物先生に、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、カスマグサなど草のことを教わったり、草を使った遊びを一緒にするなど、私達スタッフも童心に返り、楽しいワークショップを開催することができました。

住民の方への説明会を行いました

◇宮崎市民ホーム 宮崎学区社教委員の会合にて

2013年4月6日(土) 15名参加

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宮崎学区の市民ホームで、天使の森プロジェクトの説明を行いました。4月にしては珍しく台風並みの暴風雨の中、多くの方々にご参加いただきありがとうございました。 説明の後、会場からは天使の森の将来的な樹種について、また、他の地区での活動の可能性などについて質問が出されました。

 

◇住民説明会 みつわ広場(旧大雨川小学校)にて

2013年4月16日(火)28名参加

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旧大雨川小学校において説明会を行いました。天使の森周辺に住まわれている方を中心に30名程の方々が参加されました。 今回は天使の森の説明に加え、森周辺の植生調査をしていただいているグリーンフロント研究所(株)の小串さんに、日本の森林問題や額田地域のこれまでの森林の変遷についてお話しいただきました。 額田全体に良い効果があるのではないかと期待しているという意見のほか、みつわ広場を活用して情報を発信したり、市街地から人を集めて勉強会をしてはどうかといった意見が出されました。

第十九回目

4月1日は、三々五々と参加者が集まり、加藤秀美さんの岡崎地球温暖化防止隊の活動の話から始まりました。 バイオマス発電所の創設に向けて勉強会を重ねているが、これを実現するには燃料となる木質バイオマスの安定確保が課題となっている。1000kw/日の規模で考えると1年分で2万立米超える材料が必要となり間伐材だけでは到底対応しきれない。数量はともかく、とりあえず地域の山主と話す中で、多くの山主から竹をなんとかして欲しいという要望があり、竹の伐採駆除と利用方法の検討をしている。肥料や飼料の材料として利用可能なのだが採算性が課題となる。

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参加者からは人工林で切捨てられる間伐材や、道路等の大規模開発で出る大量の広葉樹の丸太などの有効利用について話が広がり、需要と供給を上手に橋渡しする工夫が必要。情報ツールを利用して、情報交換の場ができないか等の意見がでました。 また他には、参加者各々に資料を持参し、岡崎が誇れる様々な歴史遺産や建物などの話、アーキヴィストの必要性や市民活動と行政との連携のあり方など多様な話題で話しが広がりました。

次回は、第一月曜日が大型連休に掛かるため日程を変更し、5月13日の月曜日18:00からです。

第十八回目

3月4日は、天使の森プロジェクトの進捗状況をお知らせし、その後、横山さんの話から始まりました。 岡崎市平成25年度予算案の内容とまちづくりについて、昨年新しく就任された市長に期待する思いを話されました。 市長の掲げる「観光産業都市」の理念を実現に向けて、行政ほかNPOや企業を含めまちづくりに関係する組織が再編されてきている。これまでの「ハコモノ」とは違う、道路や橋などの整備に終わらない、市民にとって内容のあるものにして欲しいと話された。 他の参加者からも口々に、過去の街の変遷、行政機構に対する期待などが出されました。

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今、公開されている都市計画の情報は時間の流れの中でとらえれば点の情報でしかない。その計画が出来上がる数年後のさらに先、20年、50年といった長期の展望がまちづくりには必要。岡崎には河川を中心に数百年の歴史の中で作られてきた原風景がある。城下町、宿場町などの風情を活かしながら、新しいものを未来に向けて積み重ねていかなければ、岡崎らしさを魅力としたまちにはなっていかない。そのためにも、岡崎の原点を忘れてはいけない。また、市民の視点を活かすためにも、岡崎に住む人々が活躍できるような都市計画の実施を期待したい。まちで新しい何かが始まる時、不利益を被る人は声を出すが、そうではなく、新しい動きが楽しみになる提案が必要だし、それを市民で共有するために、自発的な市民交流の場を増やすことが大切だ。そうした広く市民に開かれた場の意見をまとめ、市長や行政に伝えることができたなら、地域社会はより住みやすく変わっていけるはずだ。 などの意見が続きました。

 

次回、4月は1日の月曜日、18時からです。

第十七回目

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2月4日は、犬塚恵介さんより東日本大震災の復興ボランティアの話から始まりました。 read more

第十六回目

1月15日は、西尾市から参加された杉﨑さん、織田さんの話から始まりました。
杉崎さんの家業は菜種油の製造。純国産の材料を使い昔ながらの製法で油を作り、こだわればこだわるほどお金にならないと言う。菜種の生産者が減り、現在、知多半島から渥美半島までの農家や市民活動団体と連携して菜の花栽培にも取り組む。更に本業の傍ら、子供たちに農作業や自給自足の体験をしてもらう取組をしている。災害などの際、すぐに他者の支援を求めるのではなく、生き抜く力をつけて欲しいと話す。

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農作業を中心とした様々な市民活動を西尾で行っている織田さんは、自分自身が癌になったことをきっかけに、ライフスタイルを180度転換し、それまで勤めていたデパートを退職し、今はめぐみ農場を主宰している。命が危うくなってもなかなかライフスタイルを変えられない。社会の常識にとらわれ過ぎて苦しんでいる人が大勢いる。食の大切さ、農業の大切さや楽しさを多くの人に知って欲しい。農作業の多くが高齢者によって行われ、今の日本の食を支えている。農薬は良くないけれど、使わなければ高齢者の農業は成り立たない。農薬を使わない作物を作るには若者の就労が必要だが、採算が取れない。めぐみ農場では、自然農法で誰でも好きなときに来て農作業を体験でき、東京や大阪からも農作業を手伝いに来ると話す。

参加者からは

・子どもたちが「自然てすごいんだ」と思える環境を身近なところにも残したい。
・アイヌ民族のように、自然を敬愛し「必要以上に取らない」という姿勢がこれからの産業に必要。
・本物にこだわる人たちが協力すれば、素晴らしいものができる。その過程は大変だが、結果の良さや喜びをもっと知って欲しい。
・農業の問題も林業の問題に通じるところが多い。議論することも大切だが、農地なり山なりを所有しないと、現実が見えてこない。

など、様々な意見がでました。

2月は4日の月曜日、18時からです。
建築家犬塚恵介さんの「東北の現実と課題」の話より始まります。

天使の森プロジェクト展の報告

昨年は天使の森プロジェクト展へ足をお運びいただき、ありがとうございました。

会期中の出来事を簡単にまとめましたので、どうぞご覧ください。
いろいろ反省点もありますが、皆様に少しでも活動を知っていただくことが出来、いいスタートを切れた思っております。今年もがんばりますので応援よろしくお願いいたします!

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2012年11月27日

APTのメンバーの田原さんと木村さんが東京から来られ、展覧会の設営が行われました。アートプロジェクトのプロポーザル展示では、会場での設営の仕方で印象が大きく左右されるとあって、最後まで入念に模型などの位置を変更していました。

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11月28日

朝、いくつかの展示パネルが落下してしまい、大急ぎで手直しをしてなんとか10時の開場に間に合わせ、10時30分より新聞記者の方々に向けプレス発表が行われました。その後、FMおかざきの生中継が入り、午後にはCATVミクスネットワークの取材収録が行われ、慌ただしく初日が過ぎました。

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11月29日

プレス発表を受けて、翌日、中部経済新聞、東海愛知新聞、岡崎経済新聞(HP)に記事掲載をしていただきました。来場された何人かの方からは「その記事を見て来ました。」と言われました。また、午後には東海テレビの取材収録がありました。

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12月1日

レセプションが開催され、100名を越す方々が来場されました。
あいちトリエンナーレ2013の芸術監督五十嵐太郎さん、キュレーターの拝戸雅彦さん、アーティストの土屋公雄さんをゲストに迎え、NPO主宰の小原を入れ「社会とアートの関わり」をテーマにギャラリートークが行われました。その後、交流会では額田の特産品を中心にした料理と地元で作られている「和紅茶」、ビオワインを楽しみながら、ゲストの方々を囲み、天使の森やアートプロジェクト、あいちトリエンナーレのことなど、話の輪が広がりました。

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12月2日〜8日

その後、中日新聞や岡崎ホームニュースで記事掲載があり、また東海テレビ、CATVミクスネットワークで紹介され、同じように三河地域の環境活動に係っておられる方や興味を持たれた方など、たくさんの来場があり、説明する私達もいろいろないい刺激を受けることが出来ました。

天使の森にて草刈り

12月9日、天使の森の頂上付近、将来観察道や見晴台となる辺りの草刈りを行いました。

幸い好天に恵まれ、強い風もなく冬にしては穏やかで作業日和。山の北側から頂上を目指して刈り進むと、ひと刈りする毎に少しずつ太陽の光が森の中に入ってきました。さらに進むにつれて笹の丈は高くなり、頂上では人の背丈を超えていました。

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なんとか刈り取り、海が見えて来たところでお昼ごはん。
海を遠くに眺め、おいしい空気と一緒に食べる手作りのおにぎりが、格別に美味しく感じました。

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刈り終えてみると、見晴台はいらないのではないかと思うほどに広く見渡せ、皆満足そうに景色を眺めていました。