日々の活動

天使の森にて草刈り

12月9日、天使の森の頂上付近、将来観察道や見晴台となる辺りの草刈りを行いました。

幸い好天に恵まれ、強い風もなく冬にしては穏やかで作業日和。山の北側から頂上を目指して刈り進むと、ひと刈りする毎に少しずつ太陽の光が森の中に入ってきました。さらに進むにつれて笹の丈は高くなり、頂上では人の背丈を超えていました。

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なんとか刈り取り、海が見えて来たところでお昼ごはん。
海を遠くに眺め、おいしい空気と一緒に食べる手作りのおにぎりが、格別に美味しく感じました。

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刈り終えてみると、見晴台はいらないのではないかと思うほどに広く見渡せ、皆満足そうに景色を眺めていました。

第十五回目

12月3日は、岡崎市内の学生や岡崎市外から初めて来られた方もおられ、自己紹介を兼ねて参加者それぞれに思うことを話すことから始まり、その後、葵丘2階にて開催中の「天使の森プロジェクト展」を見ながら、天使の森の話になり、意見交換に移りました。

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参加者からは

・山主にとって、山は利益を生まず、まるでゴミのような存在になってしまっている。山主のためにもお金になる林業を目指したい。
・3.11以降日本の社会は変化してきている。特に女性の活躍に希望を感じる。
・障がい者も普通の人も、老若男女を問わず自然な交流を持てる場を作っていきたい。
・年齢に関係なく人に必要とされ役に立ちたいという気持ちをみんな持っている。お金だけではなく、生きがいを大切にした仕事・産業を作っていくことが、多様で豊かな社会につながる。
・自然を大切にする教育=本当のことを知り、生きている実感が得られる教育が大切だ。
・個の自由な生き方を尊重することも大切だが、経済の再生産の構図を疎かにしてはいけない。

などの意見がでました。

次回は、2013年1月15日の火曜日18時からです。
年始につき曜日が変則になっています。ご注意ください。

天使の森プロジェクト展のご案内

11月28日~12月8日迄、「天使の森」構想を皆様にご紹介する「天使の森プロジェクト展」を開催いたします。

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本展覧会は、世界各地のアートシーンで活躍されている土屋公雄アートプロジェクトチームの協力により実現しました。
展示内容は、天使の森から流れ出る乙川沿いに、天使の森と額田地域、岡崎市街、そして海に至る周辺地域でカメラマンによって撮影された写真と、2013年に実施するアートプロジェクトのプロポーザル案で構成されています。
12月1日にはレセプションの中で、あいちトリエンナーレ2013の芸術監督をはじめ、ゲストをお招きしてギャラリートークを予定しております。

自然環境や里山、また現代アートにご関心のある方は是非ご来場ください。
なお、ご来場に際しては公共交通機関をご利用いただきますようご協力お願い致します。

「天使の森プロジェクト展」
2012年11月28日~12月8日

10:00~18:00(※12月3日月曜日は休館)
会場:葵丘(ききゅう)2Fギャラリー
   岡崎市明大寺町西郷中39-77
   (名鉄東岡崎駅 南口 徒歩2分)

~レセプション~
2012年12月1日(土)17:00~
ギャラリートーク「社会とアートの関わり」
出演者:五十嵐太郎氏、拝戸雅彦氏、土屋公雄氏、小原淳(NPO代表) 
参加無料(定員先着100名)

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本展覧会はあいちトリエンナーレ2013のパートナーシップ事業です。

第十四回目

11月5日は、武田さんの「心ひらくまち」の話から始まりました。

愛知県の長久手の北東部(愛・地球博記念公園のあたり)に調査に行った時、出会った人たちの穏やかさに感心し、「何故そうなのか…」その魅力のもとをいろいろな角度で考察され、この地域では、江戸時代から潤沢に水を自噴する湧水地があり、昔ながら田んぼの姿が見られ、水を地域の共有財産として、お互いに融通して利用し続けることで、地域の人たちの開かれた交流が保たれている、また、地域の高齢者の福祉施設や幼稚園などもお互いのコミュニケーションを大切にしている等々、映像を交えながら分かりやすくお話されました。

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お話の後、参加者より「まち」に対する思い思いの意見が出て、

・中山間地域の暮らしに関心を持つ人が増える中、移住しても定着する人は少ない。1世帯で入ってくれば地域に溶け込むように促しやすい。移住者の数が増えるとどうしても都市の習慣・ルールを持ち込んで、それがもとで結局地域の魅力(地域性)が半減してしまうこともある。

・若い世帯にとって田舎の人間付き合いは負担になる。定住するかしないかの二択ではなく、賃貸でしばらく住んでみるのが良い。

・昔は農業従事者が多かった社会では人々の連携・共同は必然だったが、社会環境が変化した現代では、個別のライフスタイルと共同体の良さのバランスを意識的に取らなければ、個々の人々が心開くまちにはなっていかない。

・結局、この数十年間あまりにも拙速に物事を判断し、やり過ごしてきたことが各所に問題を発生させたのではないか。時間を掛けて生活や文化の継承をしていくことが豊かな暮らしにつながるのではないか。バイオフィリア(生物に対する愛)などを含め、意識の外に排除してしまった価値を見直すことが大切。

・そもそも田舎で自由に育てばその人は幸せになれるのか。規制の多い社会に適応できなくなるのではないか。都会では心ひらくまちはできないのだろうか。

あっと言う間に時間が過ぎてしまう、活発な熱い会となりました。

12月は3日の月曜日、18時からです。

第一回目植生調査

10月17日、夕方まで刻々と雨脚が強くなるとの予報の中、兵庫県立人と自然の博物館より研究員の橋本佳延氏が「天使の森」該当地区の植生調査に来られました。
初めて現地に足を運んでいただく為、岡崎市街や額田地域のまちの様子、産業、人口の移変り、森林や河川の利用などを説明をしながら、東岡崎駅より1時間ほどで現地に到着しました。

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約13.5 ha の該当地区では全体を見回され、鹿が好んで食べる草はほとんど見られず、鹿が実際に生息していること、植林活動において鹿対策の必要性を話されました。
そして草や樹木の種類など、次々に記録をとられ、私達に分かり易く説明をしてくださいました。野草では、ギフチョウが好むカンアオイ(写真下)やコウヤボウキ、キッコウハグマ、マツカゼソウなどが観察されました。

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また、モデルとなる里山のデータを周辺から得る事ができればと近隣の高野御前山にも入り、コジイやヤブニッケイなどの樹種が見られました。
その後、本宮山へ向かいましたが、雨と霧が濃くなり、調査を終えました。

建築家と考える 家づくり勉強会 第1回~第12回

第12回 2012.10.24

講師:中島 弘人(中島プランニング 代表)

場所:葵丘

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講師の中島さんは岐阜県生まれ。大学時代に美術を専攻しており、色への関心が強い。設計にあたっては温かみがあって家族で楽しく過ごせることを大切にしていると話す。
講演では、施主の夢を実現、具現化することが建築家の1つの役割とし、模型などを使いながら、シンプルでモダンなデザインを中心にコストを抑えながらも快適で、メンテナンスが少なくて済むような家づくりについて話された。
交流会では、人口減少していく社会において、既に800万戸の空き家がある。それらをもっと活用するためにも建築家の活躍が期待される等の減築やシェアハウスの提案など、市場の可能性について様々な意見がでました。

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第十三回目

10月1日は、山本さんの林業の話から始まりました。
山から丸太を切り出し市場で現金化しているが、木材価格が低迷しているため、山主にはほとんどお金が入らないという厳しい現状を話されました。

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参加者からは、日本がグローバル経済の中で三河地域の産業が転換期を迎えている。欧州の先進諸国は富の蓄積があり成熟した社会を作りつつあるが、日本の住宅などは果たして資産といえるものがどれほどあるのだろうか。まちの財産として受け継いでいけるような住宅が増えていかないと、まちも社会も成熟していけない。住民が高齢化していく中で、山間地であれ市街地であれ、高齢者を取り込みながら魅力あるまちづくりが必要。などの意見がでました。

11月は5日の月曜日になります。
地質学を研究されている武田美恵さんの話より始まります。

展覧会の準備

9月12日に環境造形を手掛ける土屋公雄APTのメンバーが額田地域を訪れ、天使の森アートプロジェクトが動き始めました。

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今回は今秋に予定している展覧会に向けた調査とカメラマン石山氏による天使の森の撮影。
石山氏は9月24日まで滞在し、不順な天候の中シャッターチャンスを待ちながら、粘り強く意欲的に撮影されました。

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+++++展覧会情報+++++

天使の森/土屋公雄APT展(仮称)
2012年11月28日(水)~12月8日(土)
12月1日(土)レセプション
会場:葵丘

第十二回目

9月3日は、「天使の森」について森全体の植生調査が今秋から始まることや、近隣流域と連携したアートプロジェクトを企画していることなど、プロジェクトの進捗の紹介から始まりました。

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アートプロジェクトについて参加者からは、自分でさえ子供の頃に日常的に自然の中で遊んだことが少ない。ましてや今の子供たちは自然に触れる機会が限られているので、アートを介して自然と親しむきっかけになると良い。額田にホームステイして、自然の中でのアート体験なども面白いのではないか、といった意見がでました。

また、額田地域の活性化においては、従来からの地場の産業に加え、新しいものにも取り組む必要がある。いづれにしても、商品を購入してくれるファンをつくる工夫をし、生産販売をする側の意識も備わっていることが必要。それに加え、地元の魅力を掘り起し他地域へそれを広める人、例えばタイシルクのジム・トンプソンのような能力を持った人の協力も大切だ、など様々な意見がでました。

10月は1日の月曜日、18時からです。

第十一回目

8月6日は当会代表、小原の「天使の森」の話から始まりました。

参加者より、この地域を持続的なものにしてゆくには、小さな単位の経済活動が連携して循環していくような組み立てが欲しい。額田でなければ体験できないもの、食べられないものを作っていくこと。貴重な自然資源について理解を深められる展示場所など、訪れる人たちの知的好奇心を満足できるようにしたい。

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また、昔の人たちが使った道を整備してトレッキングコースにしたり、例えば鳥居強右衛門(とりいすねえもん)が長篠城に戻るときに通った道をたどるのも面白いのではないかなど、額田地域の魅力について意見が次々に出ました。

9月は3日の月曜日になります。