日々の活動

第十八回目

3月4日は、天使の森プロジェクトの進捗状況をお知らせし、その後、横山さんの話から始まりました。 岡崎市平成25年度予算案の内容とまちづくりについて、昨年新しく就任された市長に期待する思いを話されました。 市長の掲げる「観光産業都市」の理念を実現に向けて、行政ほかNPOや企業を含めまちづくりに関係する組織が再編されてきている。これまでの「ハコモノ」とは違う、道路や橋などの整備に終わらない、市民にとって内容のあるものにして欲しいと話された。 他の参加者からも口々に、過去の街の変遷、行政機構に対する期待などが出されました。

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今、公開されている都市計画の情報は時間の流れの中でとらえれば点の情報でしかない。その計画が出来上がる数年後のさらに先、20年、50年といった長期の展望がまちづくりには必要。岡崎には河川を中心に数百年の歴史の中で作られてきた原風景がある。城下町、宿場町などの風情を活かしながら、新しいものを未来に向けて積み重ねていかなければ、岡崎らしさを魅力としたまちにはなっていかない。そのためにも、岡崎の原点を忘れてはいけない。また、市民の視点を活かすためにも、岡崎に住む人々が活躍できるような都市計画の実施を期待したい。まちで新しい何かが始まる時、不利益を被る人は声を出すが、そうではなく、新しい動きが楽しみになる提案が必要だし、それを市民で共有するために、自発的な市民交流の場を増やすことが大切だ。そうした広く市民に開かれた場の意見をまとめ、市長や行政に伝えることができたなら、地域社会はより住みやすく変わっていけるはずだ。 などの意見が続きました。

 

次回、4月は1日の月曜日、18時からです。

第十七回目

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2月4日は、犬塚恵介さんより東日本大震災の復興ボランティアの話から始まりました。 read more

第十六回目

1月15日は、西尾市から参加された杉﨑さん、織田さんの話から始まりました。
杉崎さんの家業は菜種油の製造。純国産の材料を使い昔ながらの製法で油を作り、こだわればこだわるほどお金にならないと言う。菜種の生産者が減り、現在、知多半島から渥美半島までの農家や市民活動団体と連携して菜の花栽培にも取り組む。更に本業の傍ら、子供たちに農作業や自給自足の体験をしてもらう取組をしている。災害などの際、すぐに他者の支援を求めるのではなく、生き抜く力をつけて欲しいと話す。

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農作業を中心とした様々な市民活動を西尾で行っている織田さんは、自分自身が癌になったことをきっかけに、ライフスタイルを180度転換し、それまで勤めていたデパートを退職し、今はめぐみ農場を主宰している。命が危うくなってもなかなかライフスタイルを変えられない。社会の常識にとらわれ過ぎて苦しんでいる人が大勢いる。食の大切さ、農業の大切さや楽しさを多くの人に知って欲しい。農作業の多くが高齢者によって行われ、今の日本の食を支えている。農薬は良くないけれど、使わなければ高齢者の農業は成り立たない。農薬を使わない作物を作るには若者の就労が必要だが、採算が取れない。めぐみ農場では、自然農法で誰でも好きなときに来て農作業を体験でき、東京や大阪からも農作業を手伝いに来ると話す。

参加者からは

・子どもたちが「自然てすごいんだ」と思える環境を身近なところにも残したい。
・アイヌ民族のように、自然を敬愛し「必要以上に取らない」という姿勢がこれからの産業に必要。
・本物にこだわる人たちが協力すれば、素晴らしいものができる。その過程は大変だが、結果の良さや喜びをもっと知って欲しい。
・農業の問題も林業の問題に通じるところが多い。議論することも大切だが、農地なり山なりを所有しないと、現実が見えてこない。

など、様々な意見がでました。

2月は4日の月曜日、18時からです。
建築家犬塚恵介さんの「東北の現実と課題」の話より始まります。

天使の森プロジェクト展の報告

昨年は天使の森プロジェクト展へ足をお運びいただき、ありがとうございました。

会期中の出来事を簡単にまとめましたので、どうぞご覧ください。
いろいろ反省点もありますが、皆様に少しでも活動を知っていただくことが出来、いいスタートを切れた思っております。今年もがんばりますので応援よろしくお願いいたします!

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2012年11月27日

APTのメンバーの田原さんと木村さんが東京から来られ、展覧会の設営が行われました。アートプロジェクトのプロポーザル展示では、会場での設営の仕方で印象が大きく左右されるとあって、最後まで入念に模型などの位置を変更していました。

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11月28日

朝、いくつかの展示パネルが落下してしまい、大急ぎで手直しをしてなんとか10時の開場に間に合わせ、10時30分より新聞記者の方々に向けプレス発表が行われました。その後、FMおかざきの生中継が入り、午後にはCATVミクスネットワークの取材収録が行われ、慌ただしく初日が過ぎました。

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11月29日

プレス発表を受けて、翌日、中部経済新聞、東海愛知新聞、岡崎経済新聞(HP)に記事掲載をしていただきました。来場された何人かの方からは「その記事を見て来ました。」と言われました。また、午後には東海テレビの取材収録がありました。

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12月1日

レセプションが開催され、100名を越す方々が来場されました。
あいちトリエンナーレ2013の芸術監督五十嵐太郎さん、キュレーターの拝戸雅彦さん、アーティストの土屋公雄さんをゲストに迎え、NPO主宰の小原を入れ「社会とアートの関わり」をテーマにギャラリートークが行われました。その後、交流会では額田の特産品を中心にした料理と地元で作られている「和紅茶」、ビオワインを楽しみながら、ゲストの方々を囲み、天使の森やアートプロジェクト、あいちトリエンナーレのことなど、話の輪が広がりました。

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12月2日〜8日

その後、中日新聞や岡崎ホームニュースで記事掲載があり、また東海テレビ、CATVミクスネットワークで紹介され、同じように三河地域の環境活動に係っておられる方や興味を持たれた方など、たくさんの来場があり、説明する私達もいろいろないい刺激を受けることが出来ました。

天使の森にて草刈り

12月9日、天使の森の頂上付近、将来観察道や見晴台となる辺りの草刈りを行いました。

幸い好天に恵まれ、強い風もなく冬にしては穏やかで作業日和。山の北側から頂上を目指して刈り進むと、ひと刈りする毎に少しずつ太陽の光が森の中に入ってきました。さらに進むにつれて笹の丈は高くなり、頂上では人の背丈を超えていました。

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なんとか刈り取り、海が見えて来たところでお昼ごはん。
海を遠くに眺め、おいしい空気と一緒に食べる手作りのおにぎりが、格別に美味しく感じました。

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刈り終えてみると、見晴台はいらないのではないかと思うほどに広く見渡せ、皆満足そうに景色を眺めていました。

第十五回目

12月3日は、岡崎市内の学生や岡崎市外から初めて来られた方もおられ、自己紹介を兼ねて参加者それぞれに思うことを話すことから始まり、その後、葵丘2階にて開催中の「天使の森プロジェクト展」を見ながら、天使の森の話になり、意見交換に移りました。

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参加者からは

・山主にとって、山は利益を生まず、まるでゴミのような存在になってしまっている。山主のためにもお金になる林業を目指したい。
・3.11以降日本の社会は変化してきている。特に女性の活躍に希望を感じる。
・障がい者も普通の人も、老若男女を問わず自然な交流を持てる場を作っていきたい。
・年齢に関係なく人に必要とされ役に立ちたいという気持ちをみんな持っている。お金だけではなく、生きがいを大切にした仕事・産業を作っていくことが、多様で豊かな社会につながる。
・自然を大切にする教育=本当のことを知り、生きている実感が得られる教育が大切だ。
・個の自由な生き方を尊重することも大切だが、経済の再生産の構図を疎かにしてはいけない。

などの意見がでました。

次回は、2013年1月15日の火曜日18時からです。
年始につき曜日が変則になっています。ご注意ください。

天使の森プロジェクト展のご案内

11月28日~12月8日迄、「天使の森」構想を皆様にご紹介する「天使の森プロジェクト展」を開催いたします。

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本展覧会は、世界各地のアートシーンで活躍されている土屋公雄アートプロジェクトチームの協力により実現しました。
展示内容は、天使の森から流れ出る乙川沿いに、天使の森と額田地域、岡崎市街、そして海に至る周辺地域でカメラマンによって撮影された写真と、2013年に実施するアートプロジェクトのプロポーザル案で構成されています。
12月1日にはレセプションの中で、あいちトリエンナーレ2013の芸術監督をはじめ、ゲストをお招きしてギャラリートークを予定しております。

自然環境や里山、また現代アートにご関心のある方は是非ご来場ください。
なお、ご来場に際しては公共交通機関をご利用いただきますようご協力お願い致します。

「天使の森プロジェクト展」
2012年11月28日~12月8日

10:00~18:00(※12月3日月曜日は休館)
会場:葵丘(ききゅう)2Fギャラリー
   岡崎市明大寺町西郷中39-77
   (名鉄東岡崎駅 南口 徒歩2分)

~レセプション~
2012年12月1日(土)17:00~
ギャラリートーク「社会とアートの関わり」
出演者:五十嵐太郎氏、拝戸雅彦氏、土屋公雄氏、小原淳(NPO代表) 
参加無料(定員先着100名)

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本展覧会はあいちトリエンナーレ2013のパートナーシップ事業です。

第十四回目

11月5日は、武田さんの「心ひらくまち」の話から始まりました。

愛知県の長久手の北東部(愛・地球博記念公園のあたり)に調査に行った時、出会った人たちの穏やかさに感心し、「何故そうなのか…」その魅力のもとをいろいろな角度で考察され、この地域では、江戸時代から潤沢に水を自噴する湧水地があり、昔ながら田んぼの姿が見られ、水を地域の共有財産として、お互いに融通して利用し続けることで、地域の人たちの開かれた交流が保たれている、また、地域の高齢者の福祉施設や幼稚園などもお互いのコミュニケーションを大切にしている等々、映像を交えながら分かりやすくお話されました。

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お話の後、参加者より「まち」に対する思い思いの意見が出て、

・中山間地域の暮らしに関心を持つ人が増える中、移住しても定着する人は少ない。1世帯で入ってくれば地域に溶け込むように促しやすい。移住者の数が増えるとどうしても都市の習慣・ルールを持ち込んで、それがもとで結局地域の魅力(地域性)が半減してしまうこともある。

・若い世帯にとって田舎の人間付き合いは負担になる。定住するかしないかの二択ではなく、賃貸でしばらく住んでみるのが良い。

・昔は農業従事者が多かった社会では人々の連携・共同は必然だったが、社会環境が変化した現代では、個別のライフスタイルと共同体の良さのバランスを意識的に取らなければ、個々の人々が心開くまちにはなっていかない。

・結局、この数十年間あまりにも拙速に物事を判断し、やり過ごしてきたことが各所に問題を発生させたのではないか。時間を掛けて生活や文化の継承をしていくことが豊かな暮らしにつながるのではないか。バイオフィリア(生物に対する愛)などを含め、意識の外に排除してしまった価値を見直すことが大切。

・そもそも田舎で自由に育てばその人は幸せになれるのか。規制の多い社会に適応できなくなるのではないか。都会では心ひらくまちはできないのだろうか。

あっと言う間に時間が過ぎてしまう、活発な熱い会となりました。

12月は3日の月曜日、18時からです。

第一回目植生調査

10月17日、夕方まで刻々と雨脚が強くなるとの予報の中、兵庫県立人と自然の博物館より研究員の橋本佳延氏が「天使の森」該当地区の植生調査に来られました。
初めて現地に足を運んでいただく為、岡崎市街や額田地域のまちの様子、産業、人口の移変り、森林や河川の利用などを説明をしながら、東岡崎駅より1時間ほどで現地に到着しました。

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約13.5 ha の該当地区では全体を見回され、鹿が好んで食べる草はほとんど見られず、鹿が実際に生息していること、植林活動において鹿対策の必要性を話されました。
そして草や樹木の種類など、次々に記録をとられ、私達に分かり易く説明をしてくださいました。野草では、ギフチョウが好むカンアオイ(写真下)やコウヤボウキ、キッコウハグマ、マツカゼソウなどが観察されました。

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また、モデルとなる里山のデータを周辺から得る事ができればと近隣の高野御前山にも入り、コジイやヤブニッケイなどの樹種が見られました。
その後、本宮山へ向かいましたが、雨と霧が濃くなり、調査を終えました。

建築家と考える 家づくり勉強会 第1回~第12回

第12回 2012.10.24

講師:中島 弘人(中島プランニング 代表)

場所:葵丘

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講師の中島さんは岐阜県生まれ。大学時代に美術を専攻しており、色への関心が強い。設計にあたっては温かみがあって家族で楽しく過ごせることを大切にしていると話す。
講演では、施主の夢を実現、具現化することが建築家の1つの役割とし、模型などを使いながら、シンプルでモダンなデザインを中心にコストを抑えながらも快適で、メンテナンスが少なくて済むような家づくりについて話された。
交流会では、人口減少していく社会において、既に800万戸の空き家がある。それらをもっと活用するためにも建築家の活躍が期待される等の減築やシェアハウスの提案など、市場の可能性について様々な意見がでました。

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