日々の活動

第二十七回目

12月2日は、「天使の森」森林再生プロジェクトの進捗状況の報告から始まりました。 天使の森周辺の植生調査が終わり、天使の森の将来の植生計画が具体的に見えて来た。去る11月23日には今後植林するための苗ポット作りを市民参加で行った。現在それらのポットは宮崎小学校、常磐東小学校で管理していただいている。年明けには梅園小学校にも協力していただく予定。今後このまちづくりサロンを中心に、意見交換をしながら具体的にプロジェクトを進めていきたい。

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参加者からは、どれだけ多くの市民に賛同してもらえるかが大切。分かりやすく、誰でも理解できるような表現が必要。天使の森見学ツアーを開催して欲しい。構想の市民化が課題、などの意見が出されました。 また、中心市街地を流れる乙川の魅力を高めるには、なによりも川の水が良質である必要がある。水が綺麗であれば乙川周辺の修景など、活性化の方策がより効果的なものになると思う。自然石などを使用して親水域を整備できれば、市民も川辺で過ごす機会が自ずと増えるのではないか。そうした取り組みが住みやすさにつながる。既に日本は人口減少に転じ、どの自治体も市民にとっての魅力を意識的に高める必要がある。周辺市町村にはない岡崎の魅力として山や川は大きな要素となりえるのではないか、等の意見が相次ぎました。

 

次回は、2014年1月14日の火曜日18時からです。

年初のため変則的に第2火曜日となっていますのでお気を付けください。

常磐東小学校にて育苗箱の種まき

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12月2日。急に寒くなった天気も一休み。 穏やかな晴れの中、常磐東小学校の生徒が育苗箱に種まきをしました。全校生徒は50名ほど。その中から今回は緑化委員の生徒4名が参加。先生と一緒にどんぐりをきれいに並べてくれました。先生の話によると、数年前にどんぐりから苗を育てたが、発芽率がかなり低く、結局その時は実生の小さな木を採取して山に植樹したそうです。今回も少し心配と話されていました。 これから苗がある程度の大きさに育つまで、水遣りなどの作業をしていただきます。

育苗作業&アートプロジェクト報告会を終えて

11月23日快晴。みつわ広場(旧大雨川小学校)で、どんぐりの育苗箱と苗ポット作りの作業とアートプロジェクトの報告会が行われました。

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作業の前に教室で、グリーンフロント研究所の小串さんから、森の遷移について説明いただき、童謡「どんぐりころころ」の歌詞を引き合いにどんぐりの発芽条件などについて話されました。 
その後運動場で、グループに分かれ育苗箱と苗ポットを作りました。一口に「どんぐり」と言っても、いろいろな種類があって、その中から今回は「コナラ」「アベマキ」「クヌギ」を植えました。作業の説明を聞いている時は樹種の違いを理解できたのに、作業が始まると「あれっ、どっちがコナラ?」と言いながらも、小串さんの指導の下、楽しく作業を行うことができました。

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作業を終え、天使の森の頂上に上がると、空は秋晴れ。眼下に広がる景色は遠く遠州灘まで見渡せました。

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午後からは、武蔵野美術大学建築学科非常勤講師の田原さんに、授業の一環としてゼミの学生たちが「日本の森林を考える」をテーマとして取り組んだ額田地域の活性化の課題について、成果報告を行っていただきました。「天使の学校プロジェクト」と題して、旧大雨川小学校を都市部からの市民と額田地域の人たちとの交流拠点として活用していくことを軸に、間伐材を加工する工房やギャラリー、またカフェコーナーなどを盛り込んだ施設利用の案が紹介されました。

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作業とセミナーの一日を終え、参加者からは、「普段なかなか体験できないことが出来て、楽しかった」「森や緑の大切さに気付かされた」などの感想が聞かれました。

第二回植生調査

10月29日。雨含みの天気の中、兵庫県立人と自然の博物館より研究員の橋本佳延氏が昨年に続き調査に来られました。今回は、「天使の森」を将来どのような森にすることが適切なのかを検討するための調査。現在、「天使の森」周辺は鹿が頻繁に出没しており、背丈の低い木や草のほとんどは鹿が食べるのを嫌う種類の植物になっています。そのため近隣で鹿などの影響を受けていない理想に近い森を探して、そこに生えている植物を調べ、この地域で根付きやすい在来の植物を把握するのが調査の狙いです。

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グリーンフロント研究所の小串氏とスタッフの方と一緒に、まずは下調べしておいたいくつかの森を足早に下見。そうこうするうちに次第に雨が強くなったので、昼食と打合せを兼ねながら天気の様子をみることになりました。やがて小雨になり、候補地の中から比較的鹿に食べられていない森を1つ決め、始めることになり、森の中に10m×10mの枠を3つ作り、枠内の中の植物を観察しました。

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調査がはじまるとアベマキ、アラカシ、コナラ、ヤブニッケイ、ソヨゴ、コバノミツバツツジ・・・・と、植物の名前が次々に呼ばれ、終わってみると記録ノートには数十種類の植物が分類され書きとめられていました。 天気もなんとか持ちこたえ、無事に調査を終えることができました。

プロとともに考える家づくり 第1回~第12回

第12回 2013.10.23

講師:浅井 裕雄(裕建築計画 代表取締役)

会場:葵丘

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講師の浅井 裕雄さんは愛知県生まれ。子どものころから図工やプラモデルなど、ものを作ることが好きだった。大学で国宝の待庵(たいあん、千利休作)の原寸模型制作に携わり、古い建築にも興味を持つようになった。いわゆる “スローな”視点を大切にし、設計においてはプロポーションが重要と話す。 勉強会では、30歳の頃、友人と行ったインド旅行の帰り、成田空港からの電車の車窓から見た風景に衝撃を受け「いい建築を作ろう」と思った。インドの建築で使われているような伝統的な建築素材、例えばレンガなどを使っていきたい。日本では意外に価格が高いが、簡単に手に入り家主でも竣工後の補修をしやすく、年月を経て味わいが出てくるのがいい。 作品例としてリフォーム、リノベーションの例を紹介。古いものと新しいものをバランスよく配することが大切。十分な予算がない場合には、思い切って古い部分を沢山残してそれを楽しむような考え方をするようにしている。また、新築の作品事例では、街や周囲との関係から、家の魅力を街に開いていく工夫について話された。 交流会では、現在、日本には数百万戸の空き家がある。素晴らしい建築であっても経年のなかで、使い勝手が悪くなってしまう場合もある。古い建築の良い所を残しつつ、使いやすくする提案をすることこそ、これからの建築家に求められている等、リフォームやリノベーションについて話された。

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第二十五回目

10月7日は、天使の森プロジェクトの山での活動の報告をした後、岡崎活性化本部(以下本部)の話から始まりました。本部が発足して半年余りが経過しましたが、今回サロンに参加された本部スタッフの方に改めて「岡崎活性化本部とは何か」という辺りから話しを伺いました。 「市政に民間の活力と機動力を取り込む」のが狙い。市役所内のシティプロモーション班などと連携して、街の魅力を高め、市民が「住んでみたい」と思うまちづくりを推進する。現在、市から受託した事業をはじめ20件ほどのプロジェクトが並行して進められている。シンクタンクの役割を担い、まちづくりのグランドデザインも手掛けている。1年目は調査、2年目が構想、3年目から施策を実施する予定。現在は調査の段階だが、様々な課題が見えてきている。

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参加者からはグランドデザインの作成では、「いつ・だれが・なにをする」という視点が欲しい。策の巧拙も大切だが、当事者意識を持つこと、あるいは当事者が個人としての想いから立案し、具現化していくことが一番大切ではないか。また、具体的な行動を取れる人の後にしか人は付いて行かない。実践することが大事だなどの意見が出されました。

 

次回、11月は5日の火曜日です。

*月曜が祝日のため変則的に火曜日となっていますのでお気を付けください。

第二十四回目

9月2日は、前日まで葵丘2階ギャラリーで開催されていた「アーキエイドの活動展」の感想や東北復興について参加者が各々に話すところから始まりました。 展示については良かったという意見が多く出ました。 それと同時に、東日本大震災での津波災害の経験を後世にどのように伝え、活かしていくのかが課題。例えば、1960年のチリ津波の直後に高台移転した人たちも長い年月を経て下に降りてきてしまった等、その難しさについて話が続きました。また、今回の展示のように人がある程度自由に出入りできる地域はまだ情報を得る事もできるが、福島の原発立地周辺地域はメディア報道などでもほとんど出てこない。こうした地域のことが気になって仕方がない等、原発事故について意見が相次ぎ、関心の高い話題となりました。

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途中から展示物の片付けに来ていた名工大の学生2名も参加。その内の1人は、現在アーキエイドのインターンシップに参加しており、既に4か月間現場に入っているが、目に見える進展があまりない。展覧会で紹介したものは牡鹿半島の中の一部の集落。こうした前向きに進んでいるところは5か所程度。残る30余りの所は思うようには進んでいないなど、現地で感じたこと等を話されました。

次回、10月は7日の月曜日18:00~です。

整備作業ー見晴台の続き

8月3日に天使の森にて整備作業を行い、前回に引き続き見晴台を作りました。

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主な作業は、杭を足して丸太と丸太を番線で固定すること。 番線を初めて触った参加者も、慣れないながらも楽しそうにグルグルと番線を絞めていました。

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空は快晴。夏の強い日差しの下、補給した水分は飲んだそばから汗となる中、時折手を休めたり、制作中の見晴台に腰掛けたり、山頂からの眺望を楽しみました ♪

第二十三回目

8月5日は、グリーンフロント研究所 所長の小串さんの話から始まりました。 研究所では、環境調査や行政、企業の事業計画の支援を専門としていて、岡崎市の生物多様性戦略の作成にも関わっておられます。天使の森プロジェクトでは、額田地域の植生調査をしていただいており、今回はその中間報告をしていただきました。

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調査の方法としては、国土交通省から昔の航空写真を入手し、新しいものと比較して植林等の開発の経過を調べ、額田の文献資料を当たり、また、天使の森該当地区周辺の踏査と地域住民への聞き取りも行いました。 その結果、額田地域の植林は全国各地に比べて早く、明治の頃から植林事業が実施され、適正な管理がされていた。戦後の拡大造林において山頂まで針葉樹を植えたところもあるが、尾根筋に広葉樹が今も残り、理想的な管理に近い形で残っている場所が何か所かあることが分かりました。 報告を受け、意見交換をする中、サロンに来られた岡崎森林組合の組合長が東京の古本屋で入手したという数十年前の額田の造林計画を持参され、小串さんもびっくりという一幕も見られました。 今後は地域の植生が残ると思われる森を再調査し、種子拾いの場所や樹種を絞り込んでいく予定です。

次回、9月は2日の月曜日18:00~です。

第二十二回目

7月1日は、森林地域のを駆除した際の利用方法について話が始まり、参加者が各々に話す意見交換会の場となりました。

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話題は駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)や竹繊維で織った布など古今の加工技術に及び、他に絹や木綿の技術についても同様に、生活習慣の変化による需要低迷や人件費などの要因による技術継承の難しさ、更には、稀代の収集家田中忠三郎の仕事など、モノそのものを保存することの大切さについて話が出ました。 額田においては、100年を超える築年数の民家がたくさんある。農家民宿などを活用して、都市部の人たちを惹きつけられないか。最近登山に出かけると、都市圏から来たと思われるファッショナブルな服装の女性を多数見かける。登山用品店で、登山用スカートをはじめ女性を対象とした商品群が売られているのを見ると、山やそこの暮らしへの関心の広がりは一種の社会現象になっているように思う。長崎県の小値賀島(おじかじま)がホスピタリティーの高い所として国際的に評価されているように、土地にあるものを活かした魅力づくりが大切ではないか。‥等、意見が相次ぎました。

次回、8月は5日の月曜日です。